しろあり特捜部
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シロアリはすべてが真社会性である。
  シロアリは巣から有翅の雌雄の生殖虫が飛び出し、群飛後地上
  に舞い降りると雌雄がペアになって巣作りを始める。

  雌雄は女王、王となり、交尾、産卵を繰り返す。
  女王は卵巣の発達とともに次第に腹がふくらみ、種類によっては
  元の大きさの数倍に達する。
  生まれた子供は親と同じ姿で、ある程度成長すれば働き蟻
  として、王、女王を助け、巣を作るなどの作業を行う。

  子供は雌雄両方があり、それらは成長してゆくにつれ、一部のも
  のが前兵アリを経て兵アリに分化する。兵アリは繁殖をしない。
  巣の規模が大きくなってくると、ニンフと呼ばれる階級を経て有翅
  の生殖虫が現れ、特定の時期に巣外に出て群飛するようにな
  る。
  なお、女王や王が何らかの理由でいなくなった場合、働き蟻や
  ニンフの一部から副女王や副王が生じる。

  生殖虫には眼があるが、働きアリと兵隊アリは眼がない。
  兵アリには、様々な形のものがあり、種によって独特の形態とな
  る。

  日本産では、ヤマトシロアリ、イエシロアリは細長い頭の先端に鋭
  い牙を持っている。
  八重山諸島に産するタカサゴシロアリは、丸い頭で、牙は小さい
  が頭の斜め前方に鋭い角を出し、そこから液体を噴射する。
  沖縄産のダイコクシロアリは、丸っぽい頭で、先端が平らになって
  おり、これを使って巣穴をふさぐという。

  シロアリは互いに餌を口移しで与え合ったり、他個体の糞を口に
  したりする。
  これによって、腸内微生物を共有する効果があるほか、フェロモ
  ンを集団内に行き渡らせる働きがある。


食物はおもに枯死した植物で、その主成分はセルロースである。
  しかし、シロアリ本体はセルロースを分解する能力が低く、消化
  管内の共生微生物の助けを得ている。また一部のシロアリでは
  シロアリ自身もセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持って
  いることが確認されている。これは遺伝子の水平伝播を示唆して
  いると考えられている。

 下等シロアリ類では消化管内にすむ共生原生動物の酵素で植
   物繊維のセルロースを分解し消化吸収する。
   共生しているのは超鞭毛虫類や多鞭毛虫類が中心で、そのほ
   とんどはシロアリの腸内のみに生息している。熱帯で繁栄する
   高等シロアリ類(シロアリ科)では共生原生動物を欠き、グルー
   プにより、担子菌のキノコや細菌などと共生関係を持つ。

 担子菌類と共生するキノコシロアリ類は巣の中に菌類培養室を
   いくつも持っている。
   野外から植物遺体を採集してくると、まずそれを食い、その糞
   を積み上げる。
   共生菌がその上で成長し、糞に含まれる成分を分解する。シロ
   アリはその塊の底から食ってゆき、また糞をその上に積み上げ
   る。
   これを繰り返してゆけば、積み上げられた糞の中の成分は次
   第に分解され、シロアリは食ったものの中から吸収できる成分
   を吸収する。
   吸収できなかった成分は再び糞として積み上げられ、すべてが
   吸収できるまで循環することになる。
   そのため、シロアリの巣内に持ち込まれた植物遺体は二酸化
   炭素と水になるまで分解され、土壌形成という形で広い範囲の
   土地を肥やすことにはならないとも言われているが、巣の近辺
   には無機栄養塩が濃集することで植物の生育がよくなること
   が知られている。